日本茶の成分と飲み方

日本茶の効能

日本茶は元来、解毒をはじめとする「薬」として広まっていたこともあり、以下に示すように様々な栄養素が含まれています。

  • カテキン
    • 苦みや渋みの素となる主成分
    • 抗酸化、抗がん、抗突然変異、血中コレステロール上昇抑制、血圧上昇抑制、血小板凝集抑制、血糖上昇抑制、抗アレルギー、体脂肪蓄積抑制、抗菌、抗虫歯菌、抗ウイルス、消臭
  • カフェイン
    • 苦み成分
    • 覚醒(眠気解消)、中枢神経興奮、利尿作用、強心、疲労回復
  • アミノ酸類(テアニン)
    • うま味や奄美の素となる主成分
    • リラックス効果、血圧上昇抑制
  • ビタミンC
  • フラボノール
    • 抗酸化、血管壁強化、抗がん
  • フッ素
    • 虫歯予防
  • 食物繊維
  • サポニン
    • 鎮静・鎮痛効果、抗菌・抗ウイルス
  • 香気成分

成分含有量

日本茶の成分含有量は、種類によって異なっており、おおよそ以下のようになっています。 タンニンやカフェイン含有量は、玉露が最も多く、アミノ酸類は、抹茶や玉露、玄米tyはが多くなっています。

タンニン (原料) [%] タンニン (抽出液) [%] カフェイン (原料) [%] カフェイン (抽出液) [%] アミノ酸類 (原料) [%] 総繊維 (原料) [%] ビタミンC (抽出液) [%]
玉露 10.74 0.23 4.77 0.16 4.77 19.63 0.17
抹茶 7.83 3.29 5.5 20.35 0.09
煎茶 13.44 0.07 2.94 0.02 2.94 17.89 0.41
番茶 11.73 0.03 1.06 0.01 1.06 28.7 0.23
ほうじ茶 8.79 0.04 0.2 0.02 0.2 49.02 0.03
釜炒り茶 13.33 0.05 3.55 0.01 3.55 17.63 0.35
玄米茶 0.01 3.69 0.01 0 微量
ウーロン茶 13.87 0.03 3.87 0.02 1.04 0.03
紅茶 11 0.1 0.03 0
コーヒー 0.25 0.06 0
麦茶 0 0 0

日本茶はカフェインが多いイメージがありますが、抽出液で見た時のカフェイン含有量は玉露を除きコーヒーよりも少なくなっています。

お茶の入れ方

お湯の温度によって、お茶の成分の溶出度が変化します。 うま味成分は「アミノ酸類」、苦みや渋み成分は「カフェイン」や「カテキン」が主となるため、お湯の温度によって、味のバランスが変化します。

お茶の種類毎の一般的な茶葉/湯の量や湯の温度、浸出時間について、以下に示します。 高級なお茶は、低温で長い時間浸出し、低級なお茶は、高温で短い時間浸出することが多いです。

茶種 人数 [人] 茶葉の量 [g] 湯の量 [ml] 湯温 [℃] 浸出時間 [秒]
玉露 3 10 60 50 150
上級煎茶 3 6 170 70 120
中級煎茶 5 10 430 90 60
番茶 5 15 650 100 30
ほうじ茶 5 15 650 100 30
玄米茶 5 15 650 100 30

お茶を飲むタイミング

お茶の種類によって、成分が異なるため、生活のタイミングに合わせてお茶の種類を変えてみるのも良いかと思います。

タイミング お茶の種類 備考
朝一番 抹茶、玉露、上級煎茶 脳の働きを活発にするカフェインが多く含まれているものが良い。
勉強や仕事の合間 上級煎茶、玉露 中枢神経興奮作用のあるカフェインが多く含まれるものを飲むと、頭がすっきりし、眠気を覚ますことができる。
空腹時 番茶、ほうじ茶 胃を刺激しすぎない番茶やほうじ茶が良い。
食後 上・中級煎茶、ほうじ茶 熱めの湯温でやや濃いめに淹れて飲むと、渋みが口の中をさっぱりさせると共に、カテキンが虫歯菌の増殖を抑えたり、食中毒を予防したりする効果が期待できる。
スポーツ前 玉露、上級煎茶 筋肉刺激剤といわれるカフェインを多く含むものが良い。
寝る前 番茶、玄米茶 中枢神経興奮作用のあるカフェインが少ないものが良い。